杵屋 勝香緒(かつかお)
人生の最期まで続けられるものを——
そう思って始めたのが三味線でした。
三味線のことも、流派の違いも何も分からない中で出会ったのが、ネットで見つけた勝くに緒師匠の満面の笑顔の写真でした。敷居が高いと思っていた伝統芸能の世界に「ウェルカム!」と言っていただいているようなその笑顔に惹かれ、体験に申し込みました。
いざ入門してみると、不器用で気持ちに波のある私にとって、毎日コツコツ続けることは簡単ではありませんでした。できないことばかりで、諦めそうになることも、弱音を吐くこともたくさんありました。そして、自分は成長するのにも人よりずっとずっと時間がかかるのだと知りました。
それでも今日まで続けてこられたのは、三味線がいつの間にか生活の一部になっていたからだと思います。そして何より、勝くに緒師匠の下で学び、玉の緒会の皆様と出会えたことが大きかったと感じています。
師匠には三味線の技術だけでなく、それ以上にたくさんのことを教えていただきました。玉の緒会の皆様は、演奏のお仲間というよりも、一つの舞台を共にする戦友のような存在かもしれません。
今回、名取試験に挑戦する機会をいただき、見えていた景色が少し変わりました。以前から師匠に繰り返しご指導いただいていたことではありましたが、初めて理解できたこと、腑に落ちたことがたくさんありました。
本当に小さな一歩かもしれませんが、やっと少しだけ自分の成長を認めることができ、自信にもつながりました。
振り返ってみると、自分の意思でこんなに長く続けられたものは、三味線が初めてでした。
まだまだ人生は長いです!
お三味線が持てなくなるその日まで、長唄とともに歩み続けていけたらと思います。






