かんたん解説

何唄ってるか、わからないと言われちゃう「長唄」(涙)。
イラストでイメージを膨らませて聴いていただきたいと描き始めて演奏会などでお配りした簡単な解説を集めてみました。長唄を聴きはじめた方にご参考になれば嬉しいです。

【花見踊】
明治11年新富座開場時に初演。
元禄時代の華やかなお花見の様子を描いた曲

【末広狩り】扇の買い物を頼まれた太郎冠者が間違って 傘を買ってきてしまう狂言の「末広狩」のアレンジ。 長唄では太郎冠者は女大名の恋文の使いを頼まれる

【小鍛冶】 刀鍛冶・三条小鍛冶宗近が稲荷明神の力を借りて子狐丸 という名刀を作り上げたというお話を描いた曲

【娘道成寺】 安珍・清姫伝説の後日譚。道成寺の鐘供養に訪れた白拍 子は実は清姫の化身。鐘に飛び込み大蛇となって現れる

【操三番叟】 マリオネットな三番叟。三番叟の舞は五穀豊穣を寿ぐ

【吉原雀】 放生会の由来や吉原の風俗を唄った曲。吉原の冷やかし 客を「吉原雀」ともいう。

【俄獅子】 吉原の秋の行事=吉原俄を盛り込み廓の男女の様子を 描いた曲

【勧進帳】 歌舞伎十八番。安宅の関。義経一行弁慶の機転で通過。 富樫黙認。弁慶感謝。舞。涙

【ともやっこ】 吉原に主人のお供をしてきた奴がはぐれてしまい片手 に提灯を持って主人を探してまわる、という曲

【時雨西行】 雨宿りした西行が遊女と和歌のやりとりをするうち、 遊女は普賢菩薩となる

【紀州道成寺】 熊野詣に来た美丈夫の修行僧安珍に恋をして振られた 清姫の執念の物語。

【廓丹前】 元禄の頃全盛期の廓に通う伊達男・廓の四季のイベント を描いた曲

【安達ケ原】【黒塚】 奥州安達ケ原の鬼女伝説を描いた曲

【神田祭】 天下祭と言われた神田祭。豪華な山車が次々と繰り出し 華やかなお祭りの情景を描いた曲

【石橋】入唐した寂昭法師が、文殊菩薩の住む浄土・清
涼山の手前に架かる石橋で文殊菩薩の化身(あるいは眷 属)である獅子に遭遇する

【藤娘】 黒い塗笠をかぶった娘姿の藤の精が女心を踊る曲

【新曲浦島】 坪内逍遥作詞。雄大な大海原を描いた曲

【浜松風】須磨に流された在原行平の寵愛を受けた姉
妹。赦免後行平が帰京し捨てられた姉の怨念が下女小藤 に乗り移り発狂して行平の狩衣を着てさまよう。

【三曲糸の調】夫・景清の行方を追及され,三つの楽器
の演奏を強要されながら音色に乱れを見せなかった遊 君阿古屋の奏した手組

【風流船揃】 江戸の船にちなむ景色を描いた曲

【二人椀久】大坂の豪商・椀屋久兵衛が傾城松山との仲
を裂かれ、心狂った椀久が放浪のうちに松山の幻と出会 い、昔の廓話をするという内容の曲

【五郎】 父の仇討を企てる曽我五郎が恋人化粧坂少将の許に通 う様を描いた曲

【連獅子】 親獅子が子獅子を谷へ蹴落とす前半と、牡丹の花のも と、獅子が胡蝶に戯れ狂う後半が聴きどころ

【鶴亀】 天下泰平、国家の長久を祈念し、祝福するという、おめ でたい曲

【老松】 四世杵屋六三郎が母の傘寿の祝いに作曲した曲

【喜撰】六歌仙姿彩のひとつ。平安の高僧の喜撰法師が
茶汲み女お梶と絡み、江戸の風俗舞踊・願人坊主のチョ ボクレや住吉踊りを踊る、理屈なく楽しい曲

【鷺娘】綿帽子白無垢の娘を鷺に見立て恋の苦悩を描い
た曲。前半は幽玄に、中盤は華やかな娘の踊り、後半は 地獄の責めと変化に富んだ構成

【楠公】 楠木正成の物語。上の巻は桜井駅の正行(まさつら)との 別れ、下の巻は湊川の合戦である

【雨の四季】 四季ごとの雨の日本橋の風情を唄った曲。

【越後獅子】 軽業を披露する角兵衛獅子を題材に地歌『越後獅子』, 『さらし』,民謡などを取入れた長唄の名曲。

【虎狩】近松門左衛門『国性爺合戦』の「千里ヶ竹」を
長唄に写した曲。和藤内が明国再興のために中国に渡り 敵を倒す

【秋の色種】 麻布の秋の風情を描いた曲で夢幻的な美しさと上品さ がある。純粋に鑑賞用の長唄として作曲された曲

【春の調】 春の野辺ののどかさを、おおらかに唄ったもので、早春 の景物が上品に詠みこまれている

【靭猿】 大名が靫の革にするため猿曳に小猿を要求するが小猿
の無心な様に心を打たれて許し猿曳は礼に猿を舞わす

【船弁慶】源義経は兄頼朝の疑いを受け,静と別れ大物
浦から船を出す。そこに平知盛の亡霊が出て義経を海に 沈めようとするが,弁慶の祈りにより退けられる。

【柳橋】 杵屋勝国作曲。柳橋の風情と芸者の粋を描いた曲

【島の千歳】 七代目望月太左衛門を襲名する披露曲として出来た曲。 白拍子の元祖といわれる島の千歳を唄ったもの

【百千鳥娘道成寺】初代瀬川菊之丞が初演。京鹿子娘道
成寺の土台になった作品、長らく途絶えていたものを杵 屋勝国が作曲・復曲した。